2020火星接近 2020-21年の見どころ
2019年8月20日
第33回天文教育普及研究会 発表資料
三品利郎
1 2年弱、711日で全天を一周する火星
下の図-1,2はMitakaで作成した2019年7月4日と2021年6月24日の火星です。ともに
プレセペM44と合になっています。即ち,711日で全天を一周します。火星は素早く動き、
他の惑星や黄道付近の恒星や星団との会合が起きます。
図-1 2019年7月14日、プレセペの中を通過する火星
図-2 2021年6月24日、プレセペの中を通過する火星
2 最接近の前 2020年7月夜半の火星
図-3は、Mitakaで作成した2020年7月1日(水曜日)の午前2時の東南東の空です。火星は、
うお座の南端にあり、くじら座から、うお座へ移り、最接近となり年末にはおひつじ座(Aries)へ
と移動します。
図-3 2020年7月1日の火星の位置
3 9月から、翌年3月までの火星の動き
2020年9月から2021年3月までの火星の動きを動画にしました。9月になると逆行になり、
最接近の後、11月中頃から順行となります。1月20日(水曜日)の夕方には月、天王星、火星と並び、
3月にはプレアデスとヒアデスの間を駆け抜けます。
図-4 2020年9月から2021年3月までの火星の動き
4 2021年1月21日夕方、火星と月と天王星
図-5は、Mitakaで作成した2021年1月21日(木曜日)の夕方、月と火星の間に天王星が並ぶ様子です。
図-5 2021年1月21日、月、天王星そして火星
5 2021年3月夕方、火星、すばるとヒアデス星団
図-6は、Mitakaで作成した2021年3月5日(金曜日)の夕方8時の西の空です。
火星は、3月におうし座のすばる(M45)とヒアデス星団の間を通過します。
図-6 すばるの南を通過する火星
6 最接近の前 2020年1月 アンタレスと火星
Mitakaで作成した2020年1月21日(火曜日)の明け方です。月と火星とアンタレスが並びます。
この時火星は,視直径はまだ4.4秒、明るさは1.5等です。この時期はアンタレスの方が火星よりも
明るいです。
図-7 2020年1月21日、アンタレスより暗い火星
7 最接近の前 2020年3月 木星、土星と火星
Mitakaで作成した2020年3月19日(木曜日)の明け方です。月、土星、木星と火星が並びます。
20日に木星の0.7°南を通過し、4月1日に土星の1°南を通過します。その間,23日(月曜日)には、
冥王星(14.4等)の1分南を通過します。
図-8 2020年3月19日 月、土星、木星と火星
8 最接近の前 2020年6月明け方 火星と海王星
Mitakaで作成した2020年6月9日(火曜日)の明け方です。海王星の直ぐ近くを通過します。
このころは、夜中に火星が出てきます。
図-9 2020年6月9日 海王星に近づく火星
火星と惑星の会合をまとめました。
木星に接近 2020/3/20 19:35(JST) 木星の0°42′南を通過
土星に接近 2020/4/1 02:22(JST) 土星の0°54′南を通過
海王星に接近 2020/6/13 20:24(JST) 海王星の1°38′南を通過
天王星に接近 2021/1/21 04:39(JST) 天王星の1°37′北を通過
火星の最接近 2020/10/6 23:18(JST) 視直径 22.6″
以上